高校生の頃、頻繁に通っていたラーメン屋さんがあります。
良くテレビの番組であるじゃないですか。芸能人さんが「毎日通っていたお好みやさん」とか「喫茶店」とか。ここのラーメン屋さんは、ワタシにとってまさにそういう存在でした。
しかし悲しいかな、最近閉店してしまったんですね。
学生時代は一応「体育会系の高校生男子」だったということもあり、いつもお腹を空かせていました。
このラーメン屋さんはそんな若い連中にとって、神様のような存在。
おばちゃんがひとりで切り盛りするこのお店。7、8人入れば一杯になってしまう小さなお店。
そんな店の壁には、各学校の運動部の連中からの感謝の色紙が一面に貼ってありました。
「OO高校野球部、OO年度卒業生一同より」みたいな寄せ書きです。みんなこの店が大好きだったのでした。
さて、この小さい店のどのあたりが魅力だったのかというと、おばちゃんの気さくな人柄はもちろんの事、とにかくまぁ出される料理の「量」につきるのではないでしょうか。
あの頃は普通に食べていましたが、今考えるとトンデモナイ量だったと思います。
たとえばチャーハン。皆さん、普通のラーメン屋さんのチャーハンを想像してみてください。お皿にぱこっとお玉で丸く盛りつけてあるヤツ。ここのチャーハンはああいう感じじゃないんです。
まずおばちゃんはドンブリを手にします。いわゆるカツ丼やら天丼やら牛どんやらのドンブリです。このドンブリに山盛りにご飯を盛りつけます。この時点で「そんな量食べられるのかな?」となるのですが、なんとこれはハーフチャーハン。
普通に「チャーハンください」というと、そのドンブリ山盛りのご飯を2杯炒め、普通ラーメンが入っている間口の広いあのドンブリに山盛りになるほど盛りつけるのです。
ラーメンが入っている器に山に入っているチャーハン・・・
今考えると、あれは何合あったんだろうか・・・。
ちなみにこのチャーハンに、やはり大きなスープが付いて450円でした。
更に学生なら一律50円引き。そう、ワタシはいつもこのチャーハンを400円で食べていたのです。
今ならカミさんと2人でも一人前食べる自信はありません。
その他にもラーメンのドンブリに口いっぱいのマーボードーフや、卵を5個使うオムライスや、ラーメンの上にもやしを3袋のせるもやしラーメンは圧巻です。もやしの高さだけで15センチとか20センチあったような気がします。
このもやしラーメンはあまり注文したことがないので記憶はうすいですね。
だって麺にたどり着く頃には、麺がのびてるんですもの。
そのドンブリ1杯分のハーフチャーハンと、普通に大きなラーメンのセットは500円だったと思います。普通に見るとそれぞれが1人前としても多いのに。
なんでこんなに多くて安いのか?
これは後から聞いた話ですが、この店は別にお金儲けをしよう、ということで運営していたのではない、といいます。
自分はラーメン屋を切り盛りしていても給料はとらず、場所代、電気代、材料費などが出ればそれで良い、という話し。生活は普通にご主人の稼ぎがあれば食べてはいけるので、ということで。
そこで若い学生達と話しをするのが楽しかったんでしょうね。
あの頃はお世話になり、本当にありがとうございました。
学校では教わらない事をたくさん教わりました。
なににしても、あの頃の学生は、みんな感謝の気持ちでいっぱいですよ。
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