東芝がHD DVD事業からの撤退を発表した余波が広がっています。
関西を基盤に持つ家電量販店グループの「エディオン」は、東芝のHD DVDレコーダーを購入した人に対し、ブルーレイへの交換サービスを始めるのだそう。
確かに「騙された」とか「後悔している」というお客様がいらっしゃる以上、そういうサービスがあっても良いのかも知れません。
しかし、その「騙された」というのはどうかと思うんですよね。
もともとHD DVDを支持してしたのは、ほとんど東芝の孤軍奮闘だったわけです。
NECや三洋電機もHD DVDを支持してはいましたが、NECのDVDプレイヤーが売っている所など見たことがありません。
ブルーレイディスクはソニーが押している、ということばかりが強調されていますが、パナソニック、シャープ、パイオニア、サムスンなどが支援しているのも大きなアドバンテージです。
NECのGigaStatinを買って「失敗した」という人がいるのは頷けますが、そもそもずっと以前から東芝の孤軍奮闘で、昨年の年末商戦での次世代DVDドライブ売上比率で、ブルーレイ95%に対し5%のシェアしか売れなかったものを「こっちが良い」と選んだのは本人が悪い。
そういうキビシイ声もあります。
まぁあきらかに売れていないモノを買ってしまった本人にも責任があると思いますが、もっと責任が重いのはそうさせてしまったマスコミや雑誌なのではないかと思います。
しつこいようですが95%対5%の戦いだったのに、テレビや雑誌では「拮抗した内容、買うならどっちだ」という特集が組まれていました。
ああ言う報道の仕方じゃどちらかの規格が無くなるかも知れないなんて思わないですよ、普通。
ワタシはパソコンやさんですので、普通の人よりはそういう情報が入ってくる立場にいると思うのですが、過去数年、HD DVDの方が売れているという話を聞いたことがありません。
あおっていたのは雑誌やマスコミだったのに、撤退発表したとたんに手のひらを返したように「東芝が悪い。消費者は「騙された」と言っている」と繰り返し放送しつづけるのはいかがなモノか。
撤退の前から、テレビで「ま、既にシェアは圧倒的に差がついていますけどね」などと報道していたニュースはほとんど見たことがないような気がします。
インターネットなど見ていると正直な意見があちこちに書いてあるのですが、テレビや雑誌ではCMや広告を沢山出していくれている企業の製品を悪く書くわけにはいかないんでしょうね、きっと。
今日テレビを見ていたら「“東芝に騙された”という人が多いが、東芝はもっとなんとかするべきではないか」という論調で放送していた番組がありました。当然その番組の提供に東芝は入っていませんでした。
結局モノを買う際には信頼のおける人に教えてもらうか、自分で色々調べるしかないのかな。
大人の世界は難しいですねぇ。
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